①音楽療法とは右脳へ働きかけ脳が体に指令をだす事を目的
一般的なリハビリテーションは体に働きかけますが、
音楽療法は右脳に働きかけ、脳が体に指令をだす反応を利用しています。
また、
音楽のもつ作用がクライアントの心に寄り添い、感情が解放され、例えば合奏をしながら音楽を通して
非言語コミュニケーションがはかれることも特長といえます。感情がうまく言葉で表出できない方と音を通して心を通わせたり、
認知症の方への回想法を用いた音楽療法や、リズム遊びレクリエーションから日常生活に繋げ
パーキンソンのかたや、
高齢者介護予防に
リズムを用いた歩行リハビリなどにも繋げていくことができます。
また、ホスピスなどの緩和ケアの場ではら痛みのコントロールへの代替療法としても用います。
音楽療法とは右脳へ働きかけ脳が体に指令をだす事を目的
②音楽療法とは右脳へ働きかけ脳が体に指令をだす事を目的
梅干しを見ると唾液がでてきませんか?これは視覚情報から脳が体に反応をだしています。では音楽が右脳に働きかけるとどのような反応になるでしょうか?
認知症・アルツハイマー型認知症の方
表情が豊かになる
認知症の進行速度を遅らせる
昼夜逆転を改善する
徘徊が減って、落ち着いてくる
コミュニケーションが円滑になる
など
高次脳機能障害の方
短期記憶力の向上
ストレス解消効果
モチベーションが上がる
集中力が向上する
自信回復につながる
など
脳梗塞や脳出血による後遺症のある方
言葉が出やすくなる
ストレス解消効果
集中力が向上する
意欲が増す
自信回復につながる
感情のコントロールができるようになる
会話が増える
など
音楽療法は、いま注目の様々なことに期待がもたれる療法です。
以下のようなことを考えている方は、ぜひ、一般社団法人Loveセラピープロジェクトをご活用ください。
・好きな音楽で、あなたの大切な人のために何らかの力になれたらと思っている方
・音楽療法に興味がある方
・音楽療法について勉強をしている方
・音楽療法を学ぶためにどんなことをすればいいのか模索している方
・音楽療法をするためにまずは、どんな事をすればいいのか,何を学べばいいのか知りたい方
・介護施設,養護学校で音楽療法を取り入れたいと思っている方
・ケアマネージャー・ケースワーカーの方で音楽療法を取り入れたいと考えている方
・大学や専門学校で音楽療法を学ぶ時間がない方
・音楽の勉強は全くしたことがないけど、音楽療法について学びたい方
・老人施設や障がい児施設で音楽の時間を担当しているが、もっと効果を上げたいと思っている方
・ピアノ教室などの音楽教室を開いていて,障がい児を受け入れようと思っているので音楽療法について詳しく知りたい方 など
自閉症・発達障害の方
他人とのコミュニケーションが円滑にとれるようになる
ストレス解消効果
自傷行為・他傷行為の減少
発語の増加
社会のルールを身につけることができる
才能を伸ばす
保護者の方の精神的負担が軽減する
など
音楽ライブに行くと体が勝手に動く。それをリハビリに活かせたら
音楽ライブに行くとリズムにのり体が勝手に動いてしまうことはありませんか?
これをリハビリに活かせたらどうでしょう?
ある地域では、
お祭りがあると
普段は杖歩行の方々が踊りだすと杖なしで踊れてしまうそうです。
また、普段は振戦が止まらない方も音楽がかかると
振戦がとまりリズムにあわせて動けるのだそうです。
海外の病院では音楽療法をリハビリに取り入れている
海外の病院では
神経学的音楽療法といって音楽で右脳に働きかけ、
脳が体を動かす反応をリハビリに取り入れています。
歩行リハビリにミュージックベルを使い、ギターと音楽セッションしてるかのようなリハビリ他、脳が一定のリズムの復唱を感知する反応も利用しています。
左空間無視への音楽療法
食事の左側だけを残す、
塗り絵や写し絵の左側だけ欠けている。これは見えてないのではなく、左側の空間認知ができてないのです。視覚、聴覚、触覚を使った左空間無視のための音楽療法があります。
失語症の方が歌は歌える!言語は左脳、音楽は右脳。メロディックイントネーションセラピー
言語認識をする領域は左脳
音楽認識をする領域は右脳
左の脳にダメージを生じ失語症となった場合でも、
歌の歌詞のように音程にのせると言葉がでる場合があります。メロディックイントネーションセラピーという音楽療法があります。
リズム音楽療法
人はリズムに体がのることで動きが緩慢だった物事がスムーズにいく時があります。例えばパーキンソンのすくみ足に対して1212と
リズムをとることで
歩行がスムーズになったり、杖使用のかたには、
123123と音楽の
強拍·弱拍·弱拍
杖足足、と連動させてしまうのです。
たいがいのかたは、杖をだして足、というように
行動が一連にならずに
止まってしまいます。
ワントゥースリーの
ワンを強めにトゥースリーで足を引き寄せるように
リズミカルにすると
歩行がスムーズになります。
そのリズムを取りやすくするために音楽療法ゲームで
リズムあそびをします。
歩行時その歌やリズムを思いだしてもらうようにするのです。
2拍子だと、
ミッキーマウスミッキーマウスミッキーミッキーマウスとゆっくり歌ってもよいでしょう。
回想法を用いた音楽療法
歌やトークから記憶をさかのぼりしていきます。
例えば『ふるさと』を歌い
皆さんのふるさとはどちらですか?この曲はいつ習いましたか?その頃はどんなことがありましたか?
と記憶の引き出しを開いていきます。例え認知症のかたでも懐かしい曲のメロディや歌詞は覚えていたりするものです。普段会話をあまりしない方が急に遠い記憶を思いだし話をはじめたり、また、人前で話をすることで自己肯定感がうまれます。
猫の麻痺が改善·動物にも音楽療法は反応する
四肢麻痺だった保護猫さん。保健所で顔もあがらない意識レベルが悪い状態から入院してステロイド治療するが改善がみられず、
里親になった方が音楽療法としてバイオリンの音を聴かせたところピクンピクンと神経反応しそれを続けたところ目がぱっちり開き
歩けるようになったとのことです。猫は猫特有の音に反応するという獣医学文献もあり、バイオリンのキキっという音が反応したんじゃないか?
犬もお散歩前にドレドとピアノで弾いていたら、
ドレドと弾くとを喜ぶようになったり、レミレでは無視だったり、、ピアノの下には集まってきて眠りはじめます。無駄吠えが音楽で止まった子もいました。
分離不安な子にも効果を示す場合があります。
おすすめの音楽の聴き方
朝は小鳥のさえずりや、
太陽の光を感じるような
力がみなぎる音楽がおすすめといえます。
夜は眠りを誘うゆったりした音楽がよいといえます。
施設では対象の年代にあった音楽を選びます。
①自分の気持ちと同じような今の感情に似ている曲を選ぶ
②心を落ちつかせるスローテンポな曲を選ぶ
③気持ちが回復したら、ちょっとアップテンポな、前向きになる曲を選ぶ
合奏·集団音楽療法
カスタネット、タンバリン、歌など認知症のかたや片麻痺があるかたでも参加しやすい楽器を選びます。
3拍子の曲なら
1拍目でカスタネット、
2拍め3拍めでタンバリン
をならしてもよいでしょう。最後はフィナーレのようにカスタネットを連打し、タンバリンもふり音も大きくし盛り上げます。
大切なのは、一人の奏者として大事なパートの役割を一人一人が担っているという認識をもつとモチベーションに繋がります。
なかには責任感が強くそれが負担になるかたには
1パートを2人以上で担当し1人ではないことをお伝えする、間違えてもかまわない、毎回アドリブが入る楽しみがあると先に伝えておくとよいと思います。
どんな音楽を聴けばいいのか?
好きな音楽であることは大前提ですが、興奮して眠れないときにアップテンポな曲を聴いたらよけいに眠れなくなってしまいます。
また、悲しい時に軽快な曲よりも感情に寄り添う
穏やかな音楽を求めると思います。
状態や精神面に寄り添う音楽であることが大切です。
ストレス解消効果のある音楽というと、クラシック音楽の効果をよく聞きますが、最近の研究でわかったことは、クラシックからJ-POPまで、あらゆる音楽が、「1/fゆらぎ」を持っていて、ご自身が聴きたい音楽であればどんな音楽でも身体の緊張が解け、皮膚の温度が上昇し、筋肉の緊張度がゆるむと報告されています。人の生体リズムや自然界には、1/fというゆらぎが存在します。
例えば人の心臓の鼓動には「1/fゆらぎ」があって、川のせせらぎや虫の声などにも「1/fゆらぎ」が存在します。
そのお互いの振動が共鳴することで、人は「美しい」と感じ、その効果で心を和ませてくれるのです。
1/fゆらぎの波長は、聴覚を通して脳に働きかけることで、脳の自律神経の調整を取ることによって感情や情緒を安定させます。
それが臓器を安定させたり、血液の流れを良くすることで、健康的な身体に導いてくれるのです。
また、脳から出る脳波は心身の状態によって大きく異なり、リラックスしている時や何かに集中している時に出ているのが「α波」と呼ばれる脳波です。
健康な人であれば、肩の力を抜き目を閉じて安静にしていればα波は頻繁に表れます。
しかし、起きて活発に活動している時には、緊張やイライラ状態の脳波である「β波」が多く表れ、ストレスを招くことになります。
1/fゆらぎをもつ音楽を聴いている時には脳からこの「α波」が出やすいとされています。
自分の気持ちと同質の音楽を聴くことで、気持ちを代弁してもらうことも重要であり、これを、「同質の原理」と言います。
その時々の気持ちに合わせた音楽を聞くだけでも十分ストレス解消になりますが、初めはゆっくりした曲を聴き、気分が少し回復してきたら次第にアップテンポな元気な曲に変えていくことで、気持ちも落ち込みが改善されるという方法も効果的だといわれています。
また、動悸があるかたに
三拍子の音楽処方をしたところ、朝から音楽を頭にならし、そのリズムのままいたら動悸が消失した方もいます。
いろいろな音楽でストレス解消効果に期待
ヒーリング音楽や自分の好きな音楽を「聴く」ことばかりがストレス解消ではありません。他にも音楽に関するストレス解消の方法はたくさんあります。
カラオケボックスで思いきり歌うのも音楽療法の一種です。
実際、音楽療法による治療では、小さなお子さんから高齢者の方まで幅広い年齢層に対し、楽器を使ってグループセッションしたり、歌を歌って身体を動かすなどの方法を積極的に取り入れるようになっています。
楽器を演奏する
ギターでもピアノでも、なんでも良いので、楽器を演奏するのも非常に効果的です。
カラオケで歌う
一番身近な方法かもしれません。自分の好きな曲を好きなだけ歌いましょう。歌を歌うことでお腹に力が入り、身体を動かすことができ、体温も上がり、前向きな気分になります。
効果的な音楽の聴き方
目的にそった音楽を取り入れると効果が発揮します。
リラックスをしたいのか、集中力を高めたいのか、
エアロビクスやダンスを行う場合など音楽のリズムにあわせて身体を動かす場合もあります。
空間が静かすぎて落ち着かない時にBGMがかかることで緊張感がとれリラックスできたり、集中できたり
耳に入りすぎないBGM音楽が効果を発揮する場合もあります。
癒し系の音楽は、一般的にBGM的に使う方が多いと思いますが、脳の活性効果を期待するのであれば、適当な音楽を流しっぱなしで聴くというよりも、音楽療法用の音楽を選び、ある一定期間集中して聴くことが効果的です。
音楽療法用に作られたものでなければ、普通に聴いて楽しむ方法で構いません。
音楽療法用のCDの場合は周りの雑音を断ち切るために、ヘッドフォンの使用をお勧め致します。イヤホンタイプのものではなく、耳を覆うヘッドフォンタイプのものにしましょう。
効果の高い聴き方は、30分~1時間程度、毎日聴いて、その後間隔をあけます。
そしてまた毎日聴くようにして、それを繰り返します。一定期間集中して聴くことで効果が高まります。
同じ音楽ばかりだと飽きてしまって効果も半減してしまうので、CDは数枚用意することをおすすめします。